特集 超高齢時代のリハビリテーション評価
各論 医療の各フェーズにおけるリハビリテーションの現状と課題
急性期病院におけるリハビリテーション医療の意義と課題
中村 健
1
,
佐伯 拓也
2
1横浜市立大学医学部リハビリテーション科学
2横浜市立大学附属病院リハビリテーション部
キーワード:
早期離床
,
運動負荷
,
重篤疾患
,
脳血管障害
,
ICU
Keyword:
早期離床
,
運動負荷
,
重篤疾患
,
脳血管障害
,
ICU
pp.494-498
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211446
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現在,わが国では医療機関における機能分化が促進されており,急性期,回復期,慢性期における医療の適正化が進められている.この中で,急性期病院では,病床数の縮小と在院日数の短縮化が進められ早期の在宅復帰や回復期病院への移行が求められている.しかし一方では,社会の高齢化に伴い急性期病院においても,患者の高齢化や重症化が進みフレイルやサルコペニアなどリスクを持った患者も多くなり,さらに医療の高度化に伴い治療の高侵襲化も進んでおり,合併症や身体機能低下のリスクも高くなっている.つまり,急性期病院では,高齢者やリスクを持った重篤疾患患者に対し高侵襲治療を実施し,しかも合併症を予防し身体機能を維持していかなければならず,このため早期からのリハビリテーション医療の提供が不可欠となっている.
一方,脳血管障害をはじめとした身体機能が障害される疾患に対するリハビリテーション医療では,回復期での集中したリハビリテーション治療が重要となる.しかし,急性期におけるリハビリテーション治療が,長期的な身体機能の予後に影響することも明らかになっている.つまり,脳血管障害などの身体機能障害を伴う疾患に対するリハビリテーション医療では,患者の機能的予後を改善するためには,急性期から回復期にかけて一貫したリハビリテーション治療が必要であり,急性期病院における早期のリハビリテーション治療も重要となる.
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