連載 アーキテクチャー×マネジメント・71
益城病院
永田 敦士
1
,
西園 誠
1
1株式会社東畑建築事務所
pp.812-817
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211291
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■被災,その後の新築移転の決断
2016年4月14日,熊本県でマグニチュード6.5の地震が発生した.同県益城町において震度7を記録したこの前震は町中に目に見える形で甚大な被害をもたらした.益城病院では余震が続く混乱の中にもかかわらず,全ての入院患者199名の避難を最優先事項とし,翌日早朝からの活動により,安全な地域への転院や避難所または自宅への移動を完了した.そして,その日の深夜(16日1時25分)にマグニチュード7.3,震度7を記録する本震が再び熊本地方を襲った.
完全にインフラが途絶えた病院は,復旧までの期間,比較的損傷の少なかった関連施設の特別養護老人ホーム「花へんろ」に外来機能(本震の翌日から再開)と災害対策本部を設けた.その後インフラの完全復旧(特に汚水排水経路を確保する改修工事が長期化)まで約3カ月を要した(図1).
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