特集 病院総合医を活かす
巻頭言
山田 隆司
1
1台東区立台東病院
pp.579
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211238
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超高齢化や人口減少が進む中,地域の医療ニーズが大きく変化している.多疾患罹患,多臓器障害を抱え,介護サービスや社会的支援を必要とする高齢患者が増え,地域包括ケアの視点からの医療サービスが求められている.病院においては“それぞれの診療領域における知識・経験を持った標準的な医療を提供できる”各科専門医の集合体だけでは対応できない状況に迫られている.そんな中,自らの役割を変化させ,病院全体のパフォーマンスを向上させる総合診療医/病院総合医による取り組みが各地で進められている.本特集では,そんな病院の取り組みを紹介しながら,今後の病院総合医の育成・活用に対して一つの指針が示されることを期待したい.
小泉論文では,これまでの医学の進歩と専門分化に伴い,いかに“総合診療”の流れが生まれてきたかが説かれ,それを踏まえ,わが国において現状の医療ニーズに立ち向かう自覚的な病院総合医の育成の必要性が示されている.
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