特集 終末期と向き合う病院
巻頭言
山田 隆司
1
1台東区立台東病院
pp.583
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210524
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進みゆく超高齢多死社会において,病院は終末期とどう向き合い,地域ニーズにどう対応していくのか.終末期医療の問題は,単に病院関係者にとって今後の重要な課題というだけでなく,国民生活にとって差し迫った喫緊の課題となっている.個々の患者,家族の意向を尊重しつつ,生命維持に関するさまざまな倫理的な問題を乗り越え,誰もが納得できる穏やかな看取りを,地域ごとにどう実現するか.在宅,施設,病院を含めた地域全体,さらには国民全体での議論が求められている.本特集では現状での課題を見据え,今後のわが国の終末期医療の進むべき方向性について考察したい.
伯野論文では,国民が安心して人生の最期を迎えられるよう,地域包括ケアシステム構築を進める国の方針が示されており,その実現に向けて在宅医療およびそれを支援する病院整備の必要性が説かれている.
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