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■公的医療機関等2025プランを活用した検討の具体例(前回の続き)
2.現状と課題
公的医療機関等2025プラン(以下,2025プラン)では,各施設に①構想区域の現状,②構想区域の課題,③自施設の現状,④自施設の課題の4つの視点から「現状と課題」について記述することを求めている.このうち①,②については各都道府県が作成している地域医療構想の記述を分析して書くことができる.もちろん,その記述が不十分であると判断した場合は,日本医師会総合政策研究機構(日医総研)がホームページ上で提供している資料や,場合によっては追加の調査を行うなどして記述を補完する.表1,2は,福岡県の地域医療構想を基に有明構想区域の現状と課題を筆者が一つの例としてまとめたものである.
③,④についてはDPC対象病院であれば,公開データなどをもとに,自施設の傷病別患者数(MDC別あるいはDPC 6桁+手術の有無別)の患者像を分析することによって現状と将来の課題をある程度類推することが可能である(できれば性年齢階級別,患者居住地別,入退院の経路別なども分析する).DPC対象以外の病院はレセプトデータを基に検討することになる.具体的には,レセプト病名をICD10に転換した上で,社会保険表章用疾病分類別あるいはDPCのMDC別に集計することによってDPCの公開データと同様の検討を行うことが可能である.病名への割り付けは,厚生労働省が公開している定義表,あるいは一般財団法人 医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)の標準病名マスター1)を利用すればよい.DPCデータやレセプトデータの分析方法については,産業医科大学公衆衛生学教室の主催する各種セミナーで公開しているので,当教室のホームページ2)などを適宜参考にしていただければと思う.
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