特集 医療介護連携─地域包括ケアシステムを構築するために
巻頭言
山田 隆司
1
1台東区立台東病院
pp.255
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210072
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医療技術は進化を続け,従来では助からなかった癌や血管疾患に対しても治療の手が差し伸べられるようになってきた.平均寿命は世界的にもトップクラスを維持する一方で,一定の障害や管理すべき疾患,介護を要する高齢者が増え続けていることは避けられない現実である.有限な資源の中で,いかに最期まで自分らしい生活を全うできる仕組みを築いていくかは,今や医療福祉関係者に限らず,国民全体の課題でもある.
医療と介護の一体改革のもと,2014年に医療介護総合確保推進法が公布され,医療介護提供体制の構築など,医療と介護を対象とした新たな制度の確立が進もうとしている.これに伴って,各都道府県,二次医療圏では地域医療構想の策定が,各自治体,地域では地域包括ケアシステムの構築が急がれている.ヒト,カネ,モノ全てに限りある地域の中で質の高いサービスを実現するために,医療と介護をまたぐ広範囲な連携が求められている.
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