発行日 1949年7月1日
Published Date 1949/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210135
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「我々は長年の間醫療社曾事業に盡して來ているのに,今更病院に醫療社曾事業を取入れるなどと言われるのは,まことに心外である。そんなことを言われては多くの醫師は憤慨するだろう」これは或醫療保護施設の管理者の曾合の席上で,私から醫療社曾事業の最近に於ける展開を一通り説明したのに對する,某大病院長の反駁の一節である。
このことは醫療社曾事業という用語の單なる解釋の相違だと見るべきではない,私はこの喰違は根の深いものだと考える。醫療社曾事業の發生並に進展は,醫療の社曾化と近代的社曾事業の特質に關聯するのであるから,この喰違は,その根本の認識の相違によるものであろうと考える。従って,醫療社曾事業を普及させ,之を順調に發逹させようとするには,醫療社曾事業擔富者の養成と平行して,病院富事者に醫療社曾事業を正しく理解させることが絶對に必要である。そしてその理解は,醫療社曾事業の必要性の十分な闡明によって始めてその目的を逹するものではなかろうかと考える。
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