厚生行政を読む
人・物・金・情報
厚生行政研究会
pp.548-549
発行日 1989年6月1日
Published Date 1989/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209592
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はじめに
世の中は人・物・金で動くといわれている.病院運営とて例外ではない.増大する患者ニーズに質的にも量的にも対処するためには,とにかく「人」と「物」の充実は欠かせないが,「金」についてはそういうわけにはいかない.収益以上の投資が続けば病院は潰れてしまうのである.潰れてしまえばニーズへの対処どころの話ではない.病院を潰さないために「出るを制して入るを図る」の経営哲学を忠実に実践しようとすれば,おのずと出し惜しみせざるを得ない.それどころか「人」と「物」を量的に充実させるための「金」のやりくりに四苦八苦しているのが多くの病院の実情であり,「人」や「物」の質的充実はおろか,ともすればこれらを量的にも削らざるを得ない場合すらあるのである.「金」の要素が不安定な現状にあって,病院の活力に危機が訪れようとしている.打開策はないものであろうか.
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