--------------------
物と金の管理—眼でみる病院の設備とはたらき(9)
橋本 寛敏
,
落合 勝一郎
,
滝野 賢一
pp.23-36
発行日 1954年11月1日
Published Date 1954/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200887
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.建物の管理
病院の建物とそれに附設された機械は常にその保全に留意して管理されなければならないが,更に医学の進歩,病院の発展に伴う改修,拡充等の処理を必要とする。新らしい医療が絶えず活溌に行われると,建物も機械も創設の時のままでは,その要求を満足させることができなくなつてくる。これを適時,適切に改めることも病院管理上大切なことである。しかし,この種の要求は屡々建築設計上からみて,非常に無理な要求であつたり,また狭い見解に基く計画であつたりすることがあるから,管理者はよくその要求の目的を見極めてから処理する必要がある。そうしないと,工事途中で模様がえになつたり,或はその目的が不徹底のために,見当はづれの,不便なものができ上つたりすることになる。機械装置についても同様である。
工事の実施に当つても,こまかいことや,狭い場所の利用,古い資材の活用等,仲々,工夫と苦心を要する場合が多いので,よくその事情を心得えたものが取扱わないと上手に処理できないことになる。その為にこの仕事をする専任のものが病院にも居た方が便利である。日常,病院では窓や戸の不工合,電気,水道,排水の故障等,早速修理しなければ病院の機能を著しく低下させるような事故がよく起るし,棚つりとか,日よけ,扇風器,ストーブの取付け,取はづし等々,こまかい仕事が絶えまなくあるものである。この管理を円滑に行うためにも,専任の人が居るのがよい。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.