今日の視点
看護力の再編成—高齢化社会に向けて考える
加藤 政子
1
Masako KATO
1
1千葉大学看護学部
pp.1005-1010
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209426
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I.高齢化社会と看護者の需給対策
今世紀後半から西欧諸国ではすでに人口の高齢化による多くの社会問題が表面化し,老人医療費の急激な高騰が国家財政をおびやかしたことで,各国はこの解快に向けてさまざまな対策を打ち出してきた.
今,わが国にも同じように未曽有の高齢化社会の到来が予測され,医療・福祉予算の増大とそれに伴う住民負担の税率をめぐり,各界が真剣に討議を重ねつつある.ここではまず,西欧諸国と日本の老齢人口の比率と国民の負担税率の様相を図表によって見ながら,高齢化のすすむわが国にあって,将来,より必要とされる看護者の需給対策について量と質の両面から考えを述べてゆきたいと思う(図1).
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