特集 感染対策から見た医療廃棄物の諸問題
部門別に見た医療廃棄物とその処理方法
杉山 美智子
1
,
松本 昭一郎
2
,
石射 正英
3
,
島田 慈彦
3
,
岩本 昌子
4
,
千葉 栄市
5
Michiko SUGIYAMA
1
,
Shoichiro MATSUMOTO
2
,
Masahide ISHII
3
,
Shigehiko SHIMADA
3
,
Masako IWAMOTO
4
,
Eiichi CHIBA
5
1都立墨東病院看護科
2社会保険都南総合病院検査部
3北里大学東病院薬剤部
4呉共済病院看護部手術室
5市立三笠総合病院腎臓病センター
pp.928-939
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209406
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病棟
はじめに
首都圏8都県の一般家庭から出るゴミの量は,年に東京ドームの4杯分にのぼるという.病院からも,家庭と同じくらいいろいろのゴミが出る.むしろ種類は多く,複雑である.一つの病棟から出るゴミ(廃棄物)をみても,日常使用される注射針,点滴セット,検査器材など,ディスポーザブルタイプの用具が増加し,廃棄物の性状もプラスチック類,ガラス類の割合が多い.量そのものも増加してきている.
なかでも注射針は,病原ウイルスを感染させる恐れのある極めて危険な廃棄物であり,看護婦の刺傷事故も多い.また最近は,病院外における清掃作業員の事故が報道されるなど,量的な問題もさることながら,その危険性が社会問題ともなっている.いまや感染防止対策は,院内のみならず院外にも目を向ける時期にあるようだ.これら廃棄物に対して,日々取り扱う医療現場,まずは病棟での防止への努力は欠かせないものだろう.ここからの出発が,病院から出る廃棄物の安全化につながるからである.
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