今日の視点
在宅医療の制度化に伴う法的問題(その1)—健康権の視座から
宇都木 伸
1
Shin UTSUGI
1
1東海大学法学部
pp.741-745
発行日 1988年9月1日
Published Date 1988/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209365
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I.小稿の目的
在宅医療という新しい形態が,さまざまな医療の分野に事実として生じてきた.そのための費用の一部が保険の中にも認められるようになり,今や在宅医療は"制度"として定着し,むしろ標準化されようとしているといえよう.
現在のように先端的医療機関が試験的に在宅医療をしている状況の下では,格別の外部的規制を加えなくとも,個々の判断の適切性は期待し得る.現在のケースの成果いかんに将来の方向がかかるという意味で慎重たらざるを得ず,また,その衝に当る者が十分な理解と熱意とを持って少数のケースに対処しているからである.この篤志の例についてことさら法的問題を詮索することは望ましいことではない.
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