新しい医療と厚生行政
診療報酬制度の見直しについて
厚生行政研究会
pp.940-941
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208940
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中医協による薬価算定方式等のヒアリングの実施
大きな外的圧力により日本の診療報酬制度は,その体系を見直そうとしている.薬価算定方式の見直し,体外診断薬・医療用具の保険導入ルールの確立は国内の業界が長年夢見ていたことであるが,それが外国の圧力により実現されようとしている.中医協(中央社会保険医療協議会)はMOSS協議の合意に基づき,欧米の企業の代表から薬価算定方式,体外診断薬・医療用具についてヒアリングを行ったのである.
事の起こりは,日米貿易摩擦に端を発する.1985年1月,レーガン大統領と中曽根総理大臣が両国間の経済問題についてロスアンジェルスで会談した時に,特定の産業分野について貿易の障害を取り除くために日米両国の高官が協議を行うこととなった.それがMOSS (Market-Orien-ted, Sector-Selective:市場指向型・分野別)協議であり,特定の産業分野として電気通信,エレクトロニクス,林産物そして医薬品・医療機器が選ばれたのである.医療分野のMOSSは1985年に6回会合が持たれ,日米両国間で合意された事項について,1986年1月報告書が作成された.
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