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日本病院薬剤師会に新風慶應義塾大学病院薬剤部長 田村善蔵氏
北澤 式文
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1名古屋大学医学部附属病院薬剤部
pp.900
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208933
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昭和61年5月に東京大学名誉教授,慶應義塾大学病院薬剤部長・教授田村善蔵先生が日本病院薬剤師会会長に就任された.就任第一声は「会の内外のパイプを太くし関係機関と協力し合える体制を確立しよう.薬物療法の適正化に向けて不断の努力を続けて実績を重視しよう.衆知を集めて病院薬剤師の地位向上のための効果的な努力をしよう」と強調され,日本病院薬剤師会に新風を精力的に吹き込まれている.昭和20年東京大学医学部薬学科を卒業,32年同学助教授,36年東京大学教授(薬学部)薬品分析化学講座担当,この間薬学部教授として東京大学医学部附属病院薬剤部長を併任されたが,国立大学附属病院薬剤部長の教授職化に従って昭和52年東京大学初代の薬剤部長併任の医学部教授に就任.昭和58年定年ご退官,以後現職.薬学部教授時代には腸内細菌であるビフィズス菌の増殖因子の単離,スモン患者の緑尿成分の分析と病因解析など薬学の分野に臨床化学分析学を確立するとともに,臨床医学者と協同研究を推進するなど研究面での実績は余りにも有名.また東大薬剤部長時代には国立大学病院薬剤部職員の長年の念願であった薬剤部長の医学部教授職化を達成するなど,行政面でのコツも心得ておられる.
医療法の改正によって地域医療の中での薬剤師,薬局の職能が明確になったが,実績をどこまで伸ばすか,カラヤンに似た風貌と生来のネアカの性格で,『やる気を引き出す』会長の指導力,オーケストレーションに期待する声は会の内外に大きい.
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