特集 保険審査の問題点と対策
医療技術の進歩と保険審査
石原 昭
1
Akira ISHIHARA
1
1北里大学医学部附属病院診療部
pp.909-911
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208704
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医療技術の急速な進歩
近年医療は急速な発展をみせていますが,これは周辺科学の著しい発達に負うところが大きいといえましょう.この30年間の医学の進歩は従来の数百年分にも相当するとはよくいわれることであります.この進歩は特に診断機器,治療機器,医用材料の進歩や医薬品の開発など,多方面の総合的な結果といえましょう.少し例をあげるとすれば,診断部門でいえば,診断の革命といわれるCTスキャンの出現や超音波診断,RI診断などの画像診断の領域,大型の自動分析装置,更に循環系,吸収系,代謝系などにおける連続モニター装置や自動解析装置の発達があります.30年前には心電図のブラウン管への表示などでさえ,大学病院といえども見られなかったものであります.また治療機器においては,人工呼吸器,麻酔器をはじめ,人工腎臓,人工ペースメーカー,自動縫合器なども一般的医療として欠くことのできないものになりました.医薬品の方ではあらゆる方面の薬剤が開発され,特に抗生剤,抗癌剤,血液製剤の開発に目覚ましいものがあります.医用材料においても同様であります.そしてこれらの進歩に支えられて,外科の方面では,従来よりの切除,摘出の外科手術に加えて,臓器,あるいは機能再建の外科が大きな地位を占めてきております.
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