特集 老人病院の実情と課題
老人病院の問題点—老人病院福祉連絡会5年の歩みを中心に
中山 いづみ
1,2
Izumi NAKAYAMA
1,2
1厚生会病院
2老人病院福祉連絡会
pp.664-668
発行日 1984年8月1日
Published Date 1984/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208369
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老人病院福祉連絡会の発足
総人口の中に占める65歳以上の人口の割合が7%を超えて,日本が老年国の仲間入りをしたのは昭和45年である.それ以降,「高齢化社会の到来」に関する記事がマスコミに登場し,老人の医療と福祉の問題が,にわかにクローズアップされてきた.老人医療費の無料化の影響もあって,各医療機関では,昭和50年ごろから老人患者の増加が目立ち始め,病院待合室の「サロン化」現象も指摘されるようになった.老人患者を数多く抱えている病院のMSWは,老人の医療と福祉の両面から生ずる諸々の問題に対して,個々の力では対処しきれない限界を感じ,病院間の横のつながりの必要性を痛感していた.そして相互に連絡を取り,協力しながら,老人の抱えている問題を福祉的視点から解決することによって,老人のためのよりよい老人専門病院として充実していくことが望まれた.そこで昭和54年4月,思いを同じくする数名のMSWが発起人となって,連絡会をもつことを呼びかけ,それに応えて18の病院が参加した.これが,「老人病院福祉連絡会」発足の経緯である.現在会員病院数74,会員病院所在地は東京都を中心にほぼ関東全域にまたがっている.
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