設備機器総点検
重度身障者用多機能ベッド
落合 芙美子
1
1国立身体障害者リハセンター病院
pp.609
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207784
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多機能ベッドの導入について
昭和55年2月,我が国では10年ぶりに身体障害者の実態調査が行われた.調査によると在宅障害者は198万人で入院中の人,障害児を含めると約230万人にも上ることが明らかにされた.中でも肢体不自由者は,全体の60%近くを占めそのうち60歳以上の人が54%いることが分かった.障害者は年々増加の傾向をたどり,更に障害者の重度化と老齢化が新たな実態として明確にされた.
障害は,人間生活を一変させ生活全体からうるおいをも奪い去ってしまう.つまり人間としての基本的欲求を自ら満たせない時には人間としての自由も尊厳をも失なってしまうのである.そこで可能な限り,食事,排泄,清潔(入浴),安全安楽のための体位変換等の生活行為を主体的に自立の方向に導くために考案されたのが多機能ベッドである.当院でも試用している.
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