小特集 病院給食委託の経験
「病院の意志」を通せる委託方式—丸山記念総合病院
石田 録郎
1
1丸山記念総合病院
pp.484-487
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207754
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病院の沿革と地理的条件■
「病院患者給食の外注」についてそのレポートをとのことで,私的病院としての当院がどのような経過をたどって現在に至ったかを順を追って述べることとする.
まず,当院の位置する岩槻市がどのような地理的条件にあるかと言うと,市の両側に,東京から放射状に伸びる私鉄東武伊勢崎線が東側に,西側には,国鉄東北線が,それぞれ5〜6kmの所を走り,国鉄大宮駅を起点に東に延びる私鉄東武野田線が東北自動車道と交叉するあたりに位置する南北に縦長の小都市である.その昔,太田道灌が築いたと言われる岩槻城(白鶴城)の城下町として,また古くから「人形の町」として知られ,武蔵野の緑なお残る中に,近年都市開発の波が近くまで寄せてきた感のある田園都市である.西の大宮・浦和へ,東の春日部・越谷へそれぞれ20分前後,東京へ50〜60分というところにあるためか,どうしてもドーナッツ現象の影響下にあるような位置である.したがって中年層以上はともかく,若年労働層はややもすると大宮・浦和・東京方面にその職を求める動勢さえ感じられる現在である.市の人口も未だに10万の線を切るような状況で,また人形の町として際物ではあるが,生産量が多く,町は経済的に豊かであるから,病院としての人員の充足には,至って厳しい面がある.
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