ひとこと
ここにムダあり
島村 喜久治
1
1国立療養所東京病院
pp.782
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207564
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健保や国保で,投薬は2週間分が限度である.それも,療養担当規則とやらによると,ほんとうは2日が標準だが,「帰郷療養等特殊の事情がある場合において,必要があると認められるときは,旅程その他の事情を考慮し」た上で2週間がやっと認められるタテマエになっている.病気というものは数日で病状が変わるものだと思いこんで作られた規則であろうか.その際,慢性疾患には考え及ばなかったのであろうか.
結核患者が退院して外来へ通うようになると,この2週間の「事情考慮の限度」は誠に厄介な足かせとなる.結核のような病気が2日や2週間で様がわりするはずはない.もともと外来に通院させているのは,病状が安定した病人で,復職したり復学したりしているものも少なくない.血液や喀痰検査も月に1回,胸部X線撮影は3か月に1回程度で済むような病人たちである.
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