レポート【投稿】
医療経済学の国際的動向—「世界医療経済学会」に出席して
二木 立
1
1代々木病院理学診療科
pp.496-500
発行日 1981年6月1日
Published Date 1981/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207484
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1973年の石油シヨックを契機とした経済の低成長化の中でも「国民医療費」は高騰を続け,1978年度には10兆円を突破した.このような医療費の高騰とそれによる医療保険制度の財政破綻,医療問題の社会問題化は今や世界共通の問題である.我が国より一足先に高医療費時代に突入している欧米諸国では,すでに政府による直接,間接の医療費抑制策がとられているが,それと同時に,それの理論的分析—医療経済学の発展も著しい.
昨年9月にオランダのライデン市で開催された世界医療経済学会(World Congress on Health Economics)には,最近の医療経済学の進歩,到達点が反映されており,日本の医療問題を経済学的に分析する上で示唆に富む報告が少なくなかった.
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