特集 医師の「外勤」問題
「外勤」問題—医師の意見
pp.225-229
発行日 1981年3月1日
Published Date 1981/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207409
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修練と技術提供の場
「外勤」医師の意見というテーマで寄稿を求められて,まず気に掛かるのは一体だれが,どうして私の「外勤」を知っているのかということである.公務員としてフル・タイムの給料をもらっている以上,「外勤」は許されざることと考えているからである.
私の病院では「外勤」先の病院から病院長宛に依頼があり,病院の承認を得てあるのだが,なんとなく私の良心はとがめている.それなのになぜ,私は「外勤」医として働くか,まず第一には公務員として働く病院において科長の方針によって手術する機会を与えられないからである.外来,実習を除くと病棟における臨床指導の機会もなく,研究面では若手医師の参加を得られず,仕方なしに自分の外科医としての修練のため,また臨床的研究を満足させるため,某病院で特殊外科的技術を提供している.もちろん,これらのことが本来私の病院で満足させられるなら,「外勤」する時間的余裕もないはずであるし,また「外勤」する意志もない.
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