小特集 「地域医療」の実践
「地域医療」を考える—開業医の立場から
乾 達
pp.1035-1037
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207322
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厚生大臣が辞任し,東大名誉教授や有名な医事評論家まで連座した所沢市の富士見病院問題は,連日のようにマスコミをにぎわしています.「医療」を供給する側の問題は各方面で取り上げられていますが,忘れられている問題の一つは,被害者である患者が,どのような姿勢で医療にかかわってきたかということです.開業して十年になりますが,いまだに患者の多くは「クスリを服んで,医者に癒してもらう」式の没主体的なかかわり方しかしてくれないのが実情のようです.
しかし,患者をこのように没主体的な情況に追いこんだのは,一つには,私たち医療に携わっているものの責任でもあります.現在自分の行っている医療をも含めて,医療の構造を考えてみますと,
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