実務のポイント 会計・経理
経理事務のチェックポイント(3)
山崎 義男
1
1済生会静岡病院会計課
pp.788-789
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207250
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資本の調達と運用
1.施設の資本構成は妥当か
資本構成とは貸借対照表貸方における資本対負債の割合をいう.一般的に我が国の企業では,自己資本が20〜25%となっているので,いちおうの目安としては自己資本30%以上なら妥当としたい.しかしながら建物や機器などに多額の投資を行うために借入を行った時期には,他人資本が著増しているので,自己資本比率が低下し20%を下回る場合もある.その場合,施設が稼動することにより収益性が向上する.収益の向上は利益の増加となり,その利益の留保によりやがて資本構成も改善されるという循環過程をたどるから一概に資本構成比率の悪化を経営不振と即断できない.
また借入金が長期か短期か,その調達コストの高低いかんなど,諸々の要因も資本構成評価の質的判断の資料として重要であり,当否の決定を致し難い.その割合は,いちおう30%前後を目標としたい.今後,経済成長鈍化の傾向を肯定的にみると,安定経済のためには自己資本比率の向上を方針としたい.
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