特集 医療機器管理の焦点
医療機器の選定
選定への提言と岸和田徳洲会病院の一例
山本 智英
1
1岸和田徳洲会病院
pp.562-564
発行日 1979年7月1日
Published Date 1979/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206905
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医療機器はその価格が数万円から数億円に及び,またその種類は非常に多様であり,病院の各部門からの購入希望の機器に対し,公平に予算を割当てることは極めて困難である.病院の設立期には設立者と各部門の管理担当者の数も比較的少なく,皆がある程度共通した病院の将来の発展についての意見を持っているため,機器の購入に当たっては,いくつかの高額な機器についてはどの機器を購入するか,また同種の機器の中でどの機種を選ぶかといった程度の検討だけであり,問題は比較的簡単である.その後の病院の発展に伴う患者数,診療科,医師数の増加,また医学の進歩に伴う新種の医療機器の開発により,一定の予算内で,各部門からの要求により,各部門の合意の下に新規機器の購入を行うことになる.多くの病院では民主的な形式を採り,備品委員会の開催ということになる.しかしながら,このような委員は各部門の利益代表者の感を呈し,委員会は予算の分取り合戦となる危険がある.病院の規模がある程度大きくなると各診療科の間の壁が大きくなり,他の診療科の現状と将来のビジョンが分からなくなるため,ある診療科の新規機器の必要度が他の診療科には理解しがたいものとなることが,その一つの原因であろう.
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