ほんねたてまえ
「出せる」ところから「出させる」
T.S
pp.535
発行日 1979年6月1日
Published Date 1979/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206898
- 有料閲覧
- 文献概要
医事紛争は年々増加し,そのうえ患者側の勝訴率も上昇してきた結果,医師の診療意欲を著しく低下させてきた.このことから医師は当然の医療行為にもひかえ目となり,ひいては患者にとっても目にみえない不利をもたらしている.
医療は本来,請負契約や雇用契約のように結果を予測して契約できるものではなく,患者は医師を信頼し,その善意にまかせるところの準委任契約とされてきた.元来身体は分解できないので,外からの限られた情報しか得られず,また患者の病状は個性的な経過を示すので,病気の本態はまことに低い確率でこれを推測しているに過ぎない.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.