院内管理のレベル・アップ 労務
労務管理の考え方・7
近代的労務管理論
宮嶋 久義
1
1日本赤十字社医療センター管理局
pp.926-927
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206703
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はじめに
日本赤十字社医療センターは遠く明治19年に創設され,越えて明治24年にドイツハイデルベルヒ大学病院を模し,東洋一を誇る病院を開設したが,当時はわずかに保有病床111床に過ぎなかった.時代の変遷と社会のニードによって規模を拡大し,この間日清,日露,第一次世界大戦に際しては,軍の後方病院の役割なども果たしてきたが,今や一般の総合病院と大差ない存在として,許可病床数1,011床,実際の稼働病床数899床,外来患者1日平均1,500人程度の規模となっている.赤十字社は現在93の病院を有し,いわゆる大病院も多数あるが,歴史の古いものはほとんど100床未満から発足し今日の大を成している.国立病院も古いものは大体同じような経過を辿っていると思われる.明治,大正時代および昭和初期において労務管理などという仕事が病院にあったとは思われない.しかしこの時代でもすでに大きな工場や鉱山では,労務管理は重要な仕事の一つであった.
中小企業の中には今でも家族的な雰囲気の中で親父さんと従業員が一心同体となって生産に従事し,奥さんが外交兼会計兼皆の世話役を務めて立派にやっているものもある.しかし,この会社経営が成功して規模を拡大してくると旧態を維持することは困難になってくる.
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