グラフ
多彩な試みで総合医療を推進—東京都・医療法人社団北病院
pp.705-710
発行日 1978年9月1日
Published Date 1978/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206628
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大都市の医療においては患者と医療関係者との絆の薄れ,また検査,投薬中心の機械的な診療から"医療における人間疎外"が叫ばれているが,ここに地域住民と医療従事者・開業医などとが一体となって建設し,地域の人々のいのちと健康を守る役割を果たすことと,第一線医療機関との連携による地域医療の実践を目的とする病院がある.開設以来3年半で,病床数40から150床へ,救急も都の1,2次の指定を受け,脳外科手術の24時間体制をとるなど,北区の主要センター病院として機能しはじめた医療法人社団北病院がそれである.
北区は都内でも総合病院が少なく,区内にセンター病院をという要望は強かった.そこで,48年7月現在の住田院長を中心に北区の公害と闘ってきた市民組織の人々が,区民の健康を守る医療機関を区民の手で作ろうと立ち上がった.以来今日まで5年間の北病院の歩みは,"住民のために"と"住民とともに"に徹することにあったといって過言ではないだろう.
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