ホスピタル・メモ 放射線機器
ラジオイムノアッセイ・トータルシステム
久田 欣一
1
,
分校 久志
1
1金沢大学
pp.287
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206499
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種々の血中ホルモンや薬剤,特殊蛋白等の測定は現在その多くがラジオアイソトープを標識した標準物質を用いる抗原抗体反応の免疫学的方法,すなわちラジオイムノアッセイ(radio immuno assay, RIA,放射免疫測定法)によって行われるようになっている.RIAの原理は測定対象未知濃度物質とこれと同じ既知濃度アイソトープ標識物質を特異的に反応する抗体の一定量と反応させ,測定対象物質の多寡によって抗体と結合する標識物質の量が異なることを利用して未知濃度物質を定量するものである(図1).RIAは①抗原抗体反応を利用するため特異性が高く,②アイソトープの放射線(通常はγ線)を測定するだけでよいため複雑な操作を要せず,③検出感度が高く,④多数の検体の測定が容易であるなど微量物質を高精度に測定できる特徴がある.現在,本邦では40種余りのRIAが実用化されており,日常診療に不可欠な検査法となっいる.
さて,前おきが長くなったが,以上の測定原理より,実際の測定にあたっては①血清や試薬の分注,②一定温度,一定時間の反応(インキュベーション),③抗原抗体結合物と未結合物の分離除去,④放射能測定と結果の算出の各段階が連続して行われる必要がある(図2).ラジオイムノアッセイ・トータルシステムはこれらの操作を自動的に行えるように規格化した一連の装置より成っている.
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