病院建築・93
病院の騒音
伊藤 誠
1
,
山田 由紀子
2
1千葉大学工学部
2明治大学工学部
pp.65-70
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206185
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1.はじめに
騒音というには当らない程の音でも心理的には相当気になることがある.それが高じて苦痛になることさえあろう.病院では,ことに入院患者からこのことがしばしば言われる.この問題に建築の側から対応しようとしても,微妙な心の動きにかかわる問題だけに解決はなかなかむずかしいように思う.
しかし,これとは別な騒音--物理的に明確にそれと認めることのできる音--についても現に問題は多い.全館空調の採用,新しい機器の導入,診療の多様化に伴う職員や患者の移動の増加等々,院内の騒音源は著しく増加してきている.それに加えて,交通騒音など外部からの問題も深刻になりつつある.それにもかかわらず,これらを解決するのに必要な基礎データは未だにはなはだ不十分である.
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