ホスピタル・トピックス 麻酔
手術室における微量麻酔ガス吸入の影響とその対策
岩月 賢一
1
1東北大麻酔科
pp.38
発行日 1976年1月1日
Published Date 1976/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205794
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吸入麻酔にさいしては,余剰の麻酔ガスが麻酔器から手術室内に出されるために,手術室勤務者は微量ではあるが長期間麻酔ガスを吸入することになり,これが健康にどのような影響を与えるかが,最近注目されている.アメリカ麻酔学会が手術室で働く麻酔科医,看護婦,技術員約5万人と,麻酔ガスに接したことのない医師,看護婦約2万4千人を対象としたアンケートの調査結果から,手術室勤務者には流産,奇形児出産,腫瘍,肝疾患の発生頻度が高いと報告してから1),この問題に対する関心が急に高まってきた.
この報告から,これらの障害が麻酔ガス吸入の直接の結果であると即断することはできないが,実際問題としては早急に対策を講じる必要がある.対策としては余剰の麻酔ガスを排除して,手術室勤務者がこれを吸入することを防ぐことであり,そのための装置として今日種々のものが市販されているが,これを大別すると次の三種になる.
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