研究と報告【投稿】
病院会計事務改善の一例
白瀬 昌夫
1
1社会福祉法人北海道社会事業協会本部事務局
pp.89-91
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205696
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はじめに
社会状勢が急激に変化していくなかで,進歩改善が比較的に遅れているのが,病院の事務体制であるように思われる.その原因は,病院事業そのものが,他の産業のように機械化や,大量生産ができないこと,さらに病院の事務部門が非生産的なものとみなされ,従たる業務におかれていることに起因するのかもしれない.
病院の会計事務は一見複雑であって,会計諸表を閲覧される管理職においても,実務を担当する一般職にとっても,新任者が理解するまでにはかなりの期間を要するのではないかと思われる.しかしその原因の多くは,容易に理解できない事務処理体制が障害となっているように考えられる.また病院の会計事務の特徴として,1件あたりの金額が非常に少額なものもあり,取扱い件数が極めて多く,企業会計の原則である発生主義に忠実なあまり,1行為ごとに伝票を発行するような処理体系であれば,いたずらに事務量が増加するので,なるべく集合した方法を考えることが必要となってくる.さらに,企業会計の指標である貸借対照表および収支計算書等が容易に,しかも正確に作成できることを配慮することも必要であると思うのである.
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