時評
全世界的な経済危機と病院
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pp.46
発行日 1974年10月1日
Published Date 1974/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205453
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異例の2度にわたる医療費改訂
消火を有効に行なうためには,注水量を火勢以上にするか,火勢自体を鎮静させるかのどちらかしかない.
現在,病院では人件費が加速度的に増えており,これは,いわば火勢がますます激しくなっている状況にたとえることができる.そのために病院の赤字が急激に増加し,このままではほとんどの病院が経済的崩壊を免れないであろう,という予想さえ立てられるようになった.そうした情勢に対応して,本年度は,8か月を隔てて2回にわたるかなりの程度の医療費の改訂が行なわれた.これはかつてない異例の措置で,いかに事態が切迫していたかを物語るものである.いわば拡大の一途をたどる火の手を喰いとめるために,連続的注水措置がとられたとも見ることができよう.
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