特集 放射線部門の問題をさぐる
北里大学病院放射線部—その構想と現実
橋本 省三
1
1北里大学病院放射線部
pp.50-57
発行日 1974年7月1日
Published Date 1974/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205392
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北里大学病院の基本構想
昭和46年7月26日に開院した北里大学病院は,1)患者中心の医療を行なう大学病院2)放射線診療・臨床検査の重点配備と診断精度の向上と能率化の促進3)手術部,ICU・CCU,腎センターなどの中央診療施設の機能的な組織化と近代化4)有線テレビと大型電算機の導入による情報処理機構の確立と教育・研究への寄与5)地域医療と産業医学の将来の要求に即応して予防医学にも貢献するなどを基本構想として設計準備が進められた.
とくに機械設備に巨費を要し,建築構造から放射線防護の細かい配慮を要する放射線部では,人的・時間的・経済的な効率が最も重要視され,必要にして十分な設備投資とそれをフルに活用する設計とシステムが要求された.これは世界的傾向であって,欧米においても真剣な論議と研究が行なわれている.この点は理論だけが先行し,実際面で立ち遅れているわが国のこれから力を注ぐべきことであろう.
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