時評
公害病・難病の公費負担と医療機関側の事務繁雑化
てん
pp.44
発行日 1972年12月1日
Published Date 1972/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204854
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アメリカの友人のことば
アメリカの友人が会うたびに‘医療費が高いアメリカからみると皆保険で安く医者にかかれる日本がとてもうらやましい’といっている.社会保障制度の中に医療費の組み込まれていないアメリカでは,医療費はドクター・フィーとホスピタル・フィーと別々に請求されて非常に高額なものになっている.しかしその医療の質はきわめて高い.このために民間の医療保険が発達し200種余りのものがあり,経済に少しでも余裕ができれば,個人的に加入し,有事に備えている.
一方わが国では,戦後社会保障制度の確立を目ざし,年々改善されていくなかで,医療に関する保障も増大し,政府または組合による健康保険・国民健康保険を中心にして,現在30種近い公費負担制度があり,国民の健康をより安い医療費で社会的に保障する努力が行なわれ,さらに公害・難病に対しても公費負担を拡大し医療費の負担に悩んでいる患者の社会的救済を強力に進めようとしている.
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