管理者訪問・38
財団法人福井病院 染村舜輔先生
森 日出男
1
1国立京都病院眼科
pp.69
発行日 1971年6月1日
Published Date 1971/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204347
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廊下で会った方に刺を通じ応接室に通してもらう.ところが,その方が院長先生.‘失礼しました’.この飾りけのない院長らしくない先生のムードが,職員に慕われる大きな原因であろう.あるいは,地方性豊かな病院においては,家庭的・家族的管理が必要であろう.それがたくまずして出ているといってよかろう.現に,医師の定着性の少ない地方病院でも,ここでは医師の間が非常にうまくいっていて,やめる人が少ない.‘これも,院長の人格ですよ’とは事務長の弁.
さて,おもむろに病院の歴史からとインタビューを始めたところ,‘サァー僕何も知らんので……今事務長が来ますから’とのこと.もともと,本誌よりインタビューの予約をしたとき,‘私は院長だが,管理者ではない’と断わっていた由.病院管理は理事がやれ.院長は,診療の責任をとろうということで,医師団のチーフとして,本来の医業に専念されているようであるが,しかし,そこから生まれる病院への必然的な希望・要求は,常に理事連をつるし上げる結果となっていると聞く.ここに,日本の院長という名のひとつの解釈と,病院のあり方の一面をみるような気がする.
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