ホスピタルトピックス
これからの英国併設精神科
鈴木 淳
1
1病院管理研究所
pp.116-117
発行日 1970年11月1日
Published Date 1970/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204167
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英国は,1960年以来,精神医療を一般身体医療に近づける政策をとり,同国厚生省ウィルキン博上によれば,この政策はsmaller and better作戦ともいわれうるという.それは精神病院を小規模にし,地域社会に障害者をよりよく近づけるために一般病院に精神病床を併設することだからである.
60年代初期の併設精神科は主として第1級の総合病院に設けられ,診療対象にもかなり多くの制限がみられていたが,いままでの経験によると,ごくごく少数の特殊例を除き,ほとんどすべての種類のあらゆる疾患の治療が併設精神科でも可能となり,地域社会と患者との近接化,地域住民の理解度の向上,精神医学と身体医学との密着化,医師と患者との人間関係の持続などの諸面ですばらしい効果をあげ,精神病院在院期間の短縮がみられた.そこでこれらの成果を全国的に普及するために,地方の一般病院(俗称第2-3級病院)にも精神科を併設しようとしている.このために,すでに発刊していた併設精神科建築基準(Buil—ding Note No.5とNo.30)を廃止して,新しい要綱をつくりつつある.
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