特集 これからの病歴管理
これからの診療録管理
津田 豊和
1
1病院管理研究所
pp.33-34
発行日 1970年9月1日
Published Date 1970/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204069
- 有料閲覧
- 文献概要
診療録管理は単なる事務ではない
最近わが国でも,心ある医師は病院医療評価の重要性を認識しはじめてきた.評価そのものを行なうのは医師であるが,これを行なうための資料を適切に準備することが診療録管理業務の主目的である.退院患者の診療録から,その内容を抽出して個々のケースごとに,あるいは疾病群別に,医師が評価しやすいようにデータをそろえる知識技術はもはや医事課員や図書係では不可能な新しい専門領域に属するものである.近代的診療録管理は決してたんなる事務ではない.
診療録管理を中央化したと称する病院でも,図書館的業務しかやっていないところが多い.なかには診断データや診療録からの医療データをコンピュータ処理で作成している病院もあるが,それを医療評価や医学教育に利用している病院はあまりない.この現象は診療録管理をたんなる事務と考えているからではなかろうか.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.