Editorial
保険の現物給付としての‘標準病棟’を設定せよ
吉田 幸雄
pp.63
発行日 1970年4月1日
Published Date 1970/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203928
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現在わが国には,病院病床が100万床,診療所病床が20万床存在する.そしてこれら病床の物的条件には非常に格差がある.1病床の占有面積,建築構造,個室,2人室,3人室,4人室,6人室,それ以上の大部屋(精神病院では20人・30人)など,プライバシーの問題,ベッドとその付属物,冷暖房または空気調節,照明・カーテン,その他生活設備,医療設備など,最低は医療法スレスレ,最高はデラックスホテルなみなど千差万別である.患者の社会的,経済的,心理的,かつ医学的条件と,病院・診療所の経済的条件との組み合わせの結果である.
このように条件が違うにかかわらず,国民皆保険の下に,社会保険診療報酬の入院料として一応の標準が示され,それが支払われているが,診療報酬のうち,この入院料のみは他の行為とは別に差額徴収が認められている.原則的には入院料は自由放任であるということである.そして単に各病院ごとに差額ベッドは50%以下にしてほしいという行政指導が行なわれているにすぎない.
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