見のがされやすい実務の知識
病院の熱管理用計器
倉持 一雄
1
1虎の門病院営繕課
pp.78
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203906
- 有料閲覧
- 文献概要
最近問題となっている,都心・産業地帯の大気汚染の激化は,冬季にはいりその気象条件とあいまって著しく,当局はスモッグ対策として,低硫黄分の重油使用を要望している.また,亜硫酸ガスの排出による大気汚染を予防する目的で,排出基準を制定し,大気の清浄化を図ろうとしているが,病院でのボイラーの使用は,一般事業場と異なって,暖房だけではなく,消毒・厨房・洗濯のほか医療器材の洗浄などの熱源用にも使用されている.したがって,低硫黄の重油を使うことは,60%の燃料費増加となって,生産エネルギーとしての蒸気単価があがる結果となっている.
しかも,大気の清浄化という社会的問題と,現行医療費による困難な病院経営との板ばさみとなって,低硫黄分の重油使用に踏み切れない病院が多いと思う.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.