病院を考える・12
病院管理者が現在いちばん困っていることは—医師・看護婦の確保
尾村 偉久
1
1国立小児病院
pp.43-46
発行日 1969年9月1日
Published Date 1969/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203728
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ますます深まる病院運営の苦悩
今年は,病院管理研究所(最初は研修所)がわが国ではじめて開設されてから,ちょうど20年に当たる由で,さる6月28日に盛大な記念式が行なわれた.
この20年間に,同研究所での病院管理に関する長期・短期の受講生数は,すでに1万1000人以上に及んでいて,ことにその約半数近くが病院のトップマネージメントに当たる管理者であるので,わが国病院管理の改善に及ぼした好影響は,同研究所を中心として発表された多数の病院管理に関する文献とともに,大きなものがあると信ずる.かくのごとく,病院管理研究所との関連だけをみても,わが国の病院管理問題は相当程度改善に向かって進展しているはずであると思うのに,なおかつ現時点において,広くわが国病院,ことに最も病院らしい地位にあると考えられている比較的規模の大きな総合病院などについて情報をあたってみると,今ほど病院管理者に危機感・ひっ迫感がみなぎっていることは,少なくとも私の知るかぎり,終戦直後の荒廃のさいちゅうの事態を除いては,ないように思う.これは,なぜであろうか.
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