今月の話題
アメリカにおける幼児虐待と看護の役割
斉藤 幸子
1
1神奈川県立看護教育大学校
pp.1029-1033
発行日 1989年12月25日
Published Date 1989/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207746
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アメリカにおける看護の動向がわが国の看護界に与える影響は大きく,近年急激に多くの看護理論あるいは看護の考え方が導入されています。したがって看護を志す人なら誰でも一度はそのアメリカの看護の実際に直接触れてみたいと,願っているのではないかと思います。私もその一人で,かねてより一度は訪れたいと思っていたアメリカで,看護の一側面に触れることができました。メリーランド州ボルチモア市のジョンズホプキンス大学主催の母性小児看護セミナーに参加する機会に恵まれたからです。
セミナーの開催期間は1989年8月21日〜23日の3日間でした。3日間のスケジュールは午前中はすべてジョンズホプキンス病院の母性小児系病棟全体の見学,そして午後は各担当ナースによる,ジョンズホプキンス病院で実際に行なわれている看護の実際についての講義が中心でした。講義のプログラムとしては,体外受精と家族計画,妊娠中の胎児査定,分娩中の胎児モニタリング,産婦と新生児の移送におけるナースの役割,幼児虐待防止のためのマザリング教育,小児外傷患者に対する地域社会のコーディネーション,エイズ感染児のケアに関する研究など,興味深い内容でした。
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