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総合病院における精神科のあり方(その1)—第16回日本病院学会シンポジウム
内村 祐之
1
,
鈴木 淳
2
,
後藤 彰夫
3
,
懸田 克躬
4
,
若月 俊一
5
1東大
2病院管理研究所
3国立国府台病院
4順天堂大学
5長野県佐久総合病院
pp.84-90
発行日 1967年3月1日
Published Date 1967/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203053
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司会(東大名誉教授内村祐之)
シンポジウムを開きます前に,きわめて簡単に私のEinrichtungのようなことを申し上げたいと思います。総合病院における精神科という問題は,単にわが国の問題だけでなく,世界各国がことに戦後,この問題に関心を深め,国際病院会議などにおきましても,これが主なテーマとして取り上げられておるというような情勢にあります。私はこれは非常に必要なことであるし,ことに総合病院という,病人すべてに対して大きい便宜を与えなければならない責任を持っておる医療機関には,ぜひとも考えていただかなければならない問題だと,かねがね思っていたのであります。しかし,一面におきまして,精神病者という名前が一般に与えるイメージが,古いころからやはり"凶暴である","興奮する"というようなイメージであったために,いわゆる精神病院,大きなAnstaltというところにおいて,これを保護,治療する,あるいは一時代前ですと,これを隔離するというような考えが,長年行なわれてきたのであります。しかし今日,ことに最近の10数年間におけるいろいろの治療の進歩の結果として,私どもは精神医学というものが,ことに精神医学に関係のある医療施設というものが,今大きな曲がり角に来ておるという感を深くするのであります。
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