病院の広場
病院哲学
野村 実
1
1社会福祉法人白十字会村山サナトリウム
pp.13
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202845
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たいへん,むずかしいことをいい出しそうに見える表題をかかげて,恐縮だが,私はここで,しちめんどうくさい論議をしたいとは思っていない。また「病院哲学」なんて語は,おそらく私のほかにいい出した人はあるまいし,わたしの新造語にちがいないが,べつに奇をてらっていうのでもない。私の本意は,本気で,こうしたものの必要をいいたいのである。
わたしはいま,うっかりして「こうしたもの」と書いてしまったが,「もの」といって,なにか目に見える「モノ」があらわれたり,現に存在するわけではない。正しくは「こと」というべきであって,「病院を哲学する」といったほうが,まちがいないかも知れない。
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