--------------------
総合的リハビリテーション・センターの典型—ニューヨーク大学リハビリテーション研究所
上田 敏
1,2,3
1東大中尾内科および
2中央診療部運動療法室所属浴風園病院
3東京リハビリテーション学院
pp.72-78
発行日 1965年12月1日
Published Date 1965/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202740
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
身体障害者の社会復帰のための医学であるリハビリテーションは,決してまったく新しいものではない。その精神をたどって行けば,医学の起原とともに古いものであるかも知れないし,戦傷者の社会復帰,肢体不自由児の療育などが始められたのは第1次世界大戦後の時代であった。またリハビリテーションの重要な部門をなす義肢はすでに数百年前からの歴史をもっている。しかし一方今次大戦後に主としてアメリカで発達し,最近日本にも導入されはじめた現代的なリハビリテーションが過去のものとはかなり違った姿をもっていることも事実である。では現代のリハビリテーションとは過去のものとどのように異なり,どのような特徴をもっているのか?それをその発展の中心地であったニューヨーク大学リハビリテーション研究所(New York Univ., Institute of Physical Medicine and Rehabilitation: N. Y. U., I. P. M. R.)のあり方を通して紹介してみたい。
ニューヨーク大学のこの研究所はすでに16年の歴史をもっており,最初から所長のHoward A. Rusk教授によって指導されてきた。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.