病院管理講座 理論編・17
病院の組織(ⅩⅣ)—中間管理組織論(その1)
吉田 幸雄
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1病院管理研究所
pp.75-79
発行日 1964年7月1日
Published Date 1964/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202389
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第5回(22巻5号)および第7回(22巻7号)から第8回(22巻11号)にわたって,病院業務の職能分化について系統的に述べてきた。そしてこれを大別して(1)医師グループ,(2)看護グループ,(3)診療協助系グループ,(4)看護協助系グループ,(5)その他の医療協助系グループ,(6)施設的業務グループ,に分けることができた。(1)〜(5)は病院独特の職能群であり,(6)はいかなる種類の施設でも存在する職能群であるということができる。すなわち前者は医療を行なうに必要な職能群であり,後者は前者が単一の医療組織を作って現実に施設あるいは経営体として活動するに必要になってくる職能群であるということができる。また前者を前方機能または第一次機能,後者を後方機能または第二次機能と名づけられることもある。*すなわち患者に直接サービスするものとそうでないものという分類である。
さてこれらの職能分化の発展は,(1)病院の規模の増大,すなわち業務量の増大が職能分化の要因となり,また(2)病院機能の質の向上が職能分化を促進せしめる。業務量の増大はおのずから職員数を増し,そして分業の原則に従って専門分化し,医学医術の進歩は診療機能を向上させて診療系職能の専門分化を促進し,看護系サービスの向上は民衆の文化や生活の向上が反映して,業務量を増大して行く。そしてこの両要因はからみ合って近代病院の職能分化を目ざましく発展させてきた。
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