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あとがき
吉田 幸雄
pp.90
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202374
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- 文献概要
この6月は発刊15周年である。創刊当時は戦後の苦難のときであったが,新しい希望と建設のときであった。生活は欠乏に堪えねばならぬみぢめなものではあったが,しかし新しい苗を植えつけ,それを育てる希望に燃えていた。本郷林町の医学書院のささやかな分室に集まって,本誌の編集に情熱を捧げた。数名の同志は勿論のこと,社の長谷川泉氏と若い専務の金原氏もこの情熱にまき込まれ発刊当時は同人雑誌かといわれるほど夢中で,しばしば夜のふけるのも忘れた位である。現岡山県知事の三木行治氏も姉妹誌「公衆衛生」の編集で夜を徹したこともあったようである。当時この分室が梁山泊といわれたことも今は昔である。
あれから15年が過ぎ去った。本号を手にして感慨無量といわざるをえない。当時誰が今日を想像したであろうか。
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