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あとがき
吉田 幸雄
pp.786
発行日 1960年10月1日
Published Date 1960/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201726
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いよいよ好季節です。各病院の経営管理の改善計画を樹てる絶好の季節でしよう。是非懸案を整理され,院長以下各幹部の方々の総合的御研究をお願いしたい。
さて,今月号には,第10回病院学会の特別講演であつた永沢教授の「病院内盛染の管理について」の玉稿を巻頭に載せることができた。この問題については,博士の指摘された如く,大部分の病院では余りにも無関心である。医師が院長であるのであるから医学的な管理については特に他国よりも進んでいなければならないに不拘,この現実はどういうことであるのだろうか。勿論病院経済の面で,予防の処置が困難な理由もあるだろうが,それよりも,矢張り,管理に対する関心や熱意に関係するのではなかろうか。あるいは外国の如く,二元的管理(Dual System)の方が,医師は医学的管理については,管理者に忠言すればよく,管理者はその忠告に従って管理すればよいという,管理の方式が,却って医学管理の実際がうまく行くのかも知れないとも思える。しかし,日本のように一元的管理(Whol System)でもできないことはない。院長自身が決心し先頭指揮することにより,全組織は動くのであるから。問題は,却って院内の医師団自身の無関心にあるのではなかろうか。
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