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病院行脚の思い出
守屋 博
1
1順天堂大学
pp.66
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202369
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病院管理と云う商売を始めてまる15年になる。その間訪れた病院の数を数えて見たら400を越していた。そのどこをとっても思出の深いものである。昭和24-5年頃歩いた時は未だ戦後の不自由な時代であったので病院給食寝具の備付も思うにまかせられぬ頃なので,どこに行っても廊下で炊事をやっている様子であった。殊に田舎の病院ではわら屋根の所などがあったが,それが今では凡て新建築になって隔世の感がある。その頃にも甲南病院とか倉敷の中央病院の如く平生釟三郎氏,大原孫三郎等の先覚者の建てられたものは流石に感銘を受ける所が大であった。
昭和30年頃になると,段々と戦後の新らしい建築が見られる様になって来た。幸に我々の作ったモデル設計の精神が取り入れられる様になって,看護単位とか中央診療機能とかが立派に消化されて成果をあげているのを見せられた。基幹国立病院や,県立中央病院等である。
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