特集 病院の機械化
病院各部の機械化の実例
3.看護(その2)—アメリカの病院の例
新藤 信子
1
1神奈川県立身体障害者更生指導所
pp.51-54
発行日 1963年10月1日
Published Date 1963/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202219
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外国の病院関係者が日本の病院を訪れて,看護婦が1枚の伝票をもって走り廻わっている姿,医師の廻診に大名行列のごとく従っている忠実ぶりや,午前中からどっかりと椅子に腰かけてガーゼや包帯をのばして再生につとあている姿,あるいは図体の大きな患者に小柄な看護婦が数人アリが物を運ぶようなかっこうでつかまり,ベットから移動させている現象をみたら,かれらはきっと『日本の病院では,何と看護婦がありあまっているのだろう。実にうらやましい』とおもうかもしれない。日本の一般患者がうけている看護の実際面に目のとどかぬ,あるいは,真実を知る前のかれらには当然の現象であろう。
私もアメリカから帰ったばかりで,この光景をみたときには,まったく日本の看護力の豊富さにおどろいた。なぜなら,私があしかけ3年の間アメリカで見学や実習した病院では,いずれも看護婦が不足で,患者のそばでの看護(bed side care)をするのが精一ぱいで,前述のような光景には1度も出会ったことがなかったので。
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