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あとがき
吉田 幸雄
pp.550
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201689
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いよいよ盛夏を迎えることになりました。先月号のあとがきにも防疫の注意を申上げましたが,今月号の巻頭には,「赤痢」の院内発生の実例の原稿をかかげることができました。筆者の村田先生は,元横浜市衛生局長で衛生行政のベテランであられますが,三ツ池病院で昨年10月発生した集団赤痢の実態と経験を発表して戴きました。今まで各病院で同様な事態が発生しても,仲々公表はされませんでしたが,病院の防疫上の資料として敢えて御発表戴けたことは幸といわねばなりません。先生他病院の方々に敬意を表する次第です。特に伝染源を突きとめられた御努力に対しては,大いに多山の石として有難く拝見させて戴きました。この例からいつても,集団発生の疑いのあつたときには,こそくなことをしないで防疫の専門家の協力をえることが,大切なことがわかります。
次には,昨年の伊勢湾台風によつて大被害を受けた名古屋中日病院の経験を,詳細且つ警告的な御報告を,角田院長から御投稿戴きました。この例は,特大の風水害であつた解ですが,その程度のいかんを問わず,患者の護りをしている病院にとつては,常にその対策を心がけていなければならないでしよう。
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